2014年11月3日月曜日

French Musical Concert 2014 @ Theatre Orb (番外編/Un beau cadeau de Rimbaud 〜リシャールとランボー〜)

リシャールの件だけ別立てにするのもなんですが。。。

ガラコン裏テーマ(笑)として、外せなかったのが、自分の場合、やはりリシャールが自身でプロデュースしている「ランボー」のミュージカルについて聞くということでした。

リシャールにVitalieの歌詞をVitalieの本に書いてもらいました。
今回のガラコンは、昨年の韓国のソウルでのガラコンの曲目やスタイルを踏襲する感じになりそうだったので、ひょっとするとランボーの楽曲も紹介される可能性はある かなあとも思ったのですが、そうはいっても、これは他のノートルダム・ド・パリのようなミュージカルとは違って、これはリシャール個人のプロダクションの作品なので、集客等の点から考えると日本で披露される可能性は低いかも、、、とも思っていました。

去年の12月にシンガポールで会った時に、自身のミュージカルを2014年か15年にやりたいと思ってるんだけど、今いろいろ協議中なんだよ、と言っていたリシャール。もうすぐ2014年も終わるけど(笑)、どうなってるんだろう??と思っていました。でも、アジアでフランス語のミュージカル(しかもセルフプロダクション)の公演をやるというのは、ちょっと難しいんじゃないかなあという気もしていたので、あまり気軽にどうなってるの?と聞いてみるのも憚られたので、今回の公演でもしお話する機会があったら、ちらりと聞いてみようと思っていました。

そして、ガラコンの1ヶ月ほど前。
FBを見ていたら、リシャールが、日本でやる蜷川さん演出の舞台である「皆既食」(アルチュール・ランボーとポール・ヴェルレーヌ、そして彼の妻であるマチルドの関係を中心に描いた映画である「Total Eclipse(邦題:太陽と月に背いて)」を元にした舞台のようです。)が行われるということを紹介していました。(しかも、ソース元は私のミュー友の方^^)やたらとうれしそうだった、リシャール笑。

やるのが東急系列だったので、ひょっとすると、ランボーの楽曲をこれにつなげてやってくれるかなあと小さな希望が出てきた自分。密かな期待を胸にオーブに向かいました笑。
そして、会場に到着。

とりあえず、まあ、パンフ買うか、と思い、パンフを購入。そしてページを開けると、たまたまですが、リシャールの紹介ページがガバっと開きました笑。

そして、そこにはランボーの文字!

いやー、これは感動しました。。。

しかもそこには、Rimbaud Musicalの曲のうち2曲を実は日本で作っていたという秘話が。→これも、感動した。。。

そして、今回のコンサートでは去年のソウルガラコンで聴いた"Vitalie"が披露されることも知り、さらにテンションが上がりました。期待マックス笑。

そして、実際の舞台。

まずちょっと面白かったのが、Vitalieが「日本に紹介されていないミュージカル」枠で紹介されたこと。しかもMCでセットで紹介された曲がPetit PrinceのLe Plus Beau Et Le Plus Triste Paysage Du Monde。なんか、2つともテーマやミュージカルの規模とか全然違うんだけど笑、と思わず心の中で突っ込んでしまいました。

さらに、実は舞台上では、Vitalieがリシャールの作ったミュージカルの楽曲だということは全く言及されず、かつ説明は詩人アルチュール・ランボーとその母ヴィタリーとの確執を歌った曲というだけのものでした。

蜷川さんの舞台とのタイアップ(笑)等の話も全くなく、何も知らない人からしたら、唐突感は否めなかったと思うし、何より、他のミュージカルと違ってCDとかがあるわけではないので、歌詞が字幕等で出ない演出上、かなり意味不明な感じだったのではないかなあと思います(そうでなくともこの歌はちょっと背景説明が必要。。。)。

そういう意味では、リシャールがちょっと気の毒だったなあと思いました。
たぶん、話を振ったら、彼は実に楽しそうに、説明とかしてくれたと思うので。これは、時間の制限とかがあったので、仕方なかったとは思うのですが(故に、第一部の不思議なナレーションを省いて、曲紹介なり、それぞれの役だった人に話を振るなりしてほしかったんだよなあ。。。)。

で、実際の歌唱の感想。

00:30あたりから"Vitalie"の曲が一部聴けます。

前述のようにPetit Princeの静かな歌の後にわりと激しい感じのヴィタリーが来ていたので若干不思議感はありました。しかも、今回のアレンジ、ボンゴ?みたいな打楽器が入るアレンジになっていて(ソウルガラコンはこんなんじゃなかった気がする。)よくわからないエキゾチック感が漂っていました。そして、テンポも割と遅かった気が。

右手前にランボーの先生であり、師であるジョルジュ役のマットがおり、左奥にランボー役のリシャールという配置。この曲は、先生と生徒の対話というか半ば口論を歌にしたものなのですが、2人ともちゃんと歌いながらその対立を演技で表現していました。最後の方のマットのシャウトがなかなか良かったなあという記憶。そして、リシャール、やっぱり自分の曲ということで、ソウルのときもそうでしたが、いきいきしていました。年齢的にはもちろんアルチュールより全然上ではある訳ですが、反抗的な若き詩人の感じ、よく出てたと思います。

とっても楽しそうにファンと交流してたリシャール。
 そして公演後。

実は、今回、事前にヴィタリーが演奏されるということはもちろん知らなかったのですが、今年の始めにリシャールにいくつかRimbaud Musicalについてインタビューしたときに付け焼き刃ではあるものの、一応、ランボーの本を斜め読みしていました。

で、その中で立ち読みしていて面白かったのが、ヴィタリーに関する本(以前別の記事でも載せていた気がしますが。。。)。

お母さんとアルチュール(ランボー)の関係にスポットを当てて書いてある本ですが、お母さんの生い立ちから始まり(母親が早くに亡くなり、彼女は一家の母親的役割を担っていた)、夫が家を出た後子ども4人を女手一つで育て、成績優秀なアルチュールに期待をかけて厳しく教育した話(でも、ランボーはそんな抑圧的な母を嫌い、家出とか、ヴェルレーヌと恋愛とかしちゃったりするのですが苦笑。。。)等々、人間として彼女にすごく興味を持ちました。

当時の女性としては珍しい「自立」した女性であったこと、一般的に彼女は天才詩人アルチュール・ランボーを抑圧した悪い母として捉えられているけれども、でも実際には彼女という存在があったからこそ、アルチュールはあのような詩人になり得たのだ、というこの本の作者の主張もおもしろいなあと思いました。

さらに、彼女が、アルチュールについて書いた手紙等も部分的に載っていたりするのですが、それを読んでいると、「悪い母親」といよりは、「子どもを心配し過ぎな過保護なママ」といった方が近いような内容のものも多くて、今の時代の多くのお母さんと大差ない普通の子どもを心配するお母さんみたいな側面を知れたのも良かったです。

偶然なのですが、この本の作者のジャンコラさん、以前、アルノーさん(ランボー・ミュージカルの共作者)がこの人の話をFBでしていたことがあって、その意味でもなんだか思い入れがある本でした。

ヴィタリー・ランボー―息子アルチュールへの愛
(クロード・ジャンコラ著)
Amazon→こちら


というわけで、もし今回のガラコンでリシャールに会えたら、この本にサインしてもらおうかなあと思い、会場に持参していました。

初日、観劇後、他のファンの方と待っていると、ゴキゲンなキャストたちが登場。
リシャールも、もちろんいました。

先にかわいい女子陣にサインをもらったあとに、意を決して(笑)、リシャールに、「Richard, Richard, Richard...」と話しかけてみました。

するとリシャール、振り返って、にっこりとまず、"Ça va?"。

今から考えると驚くことは何一つないのですが、なぜか意外性を自分は感じ、無駄にÇa va. Ça va?と繰り返してしまいました苦笑。一応、フランス語学校に数か月通っていたので(いや、でもそんなに実力が伸びたかと言うと疑問。。。)、フランス語に接することについては、今までほど気圧されはしませんでしたが、、、でも、前もって用意していた「舞台すごかったー!」等のことばはどっかに飛んでました(汗)でも、リシャールとフラ語で会話したのは何気に初めて(メッセとかではフランス語でしたが。。。)だったので、ちょっとうれしかったです。(リシャールのちょっとかわいいケベコワ訛りのフランス語を生で聞けたのもうれしかった^^)

そして、この日のリシャール、とってもご機嫌でした。

今まで会ったリシャールは、東京NDP公演→ちょっとお疲れ、去年のソウルガラコン→ランボーの本を渡したときは喜んでたけど、瞬時にサインタイム終了、シンガポール→とっても静か、ときてたので、これは私的にすごい驚きでした。。。

勝手に横で写真を撮っていたら(汗)わざわざこちらを
向いてくれたリシャール。
そして、いろいろなことをブッ飛ばして、開口一番、ランボーの質問をしてしまいました苦笑。
「ランボーのプロダクションはどんな感じ?」と超初級レベルで聞いてみたところ、、、いろいろリシャール答えてくれたのですが、、、結局こっちのリスニング力が追いつかず(→意味ない。。。)。

でも、何となくの記憶では、来年やる韓国のNDPツアー中に韓国の方とコンタクトを取って話をする予定で、2015年に公演ができたらと思っているというようなことのようでした。「いろいろ複雑なんだよー。でも、2015年にやりたいとは思ってるんだ。」と言ってたリシャール。基本的に去年シンガポールで言ってたことと同じ気がするが(あのときは上海だったけど笑。)、大丈夫なのだろうか??と勝手ながら思ったのですが、 やはり、セルフプロデュース作品と言うことで、一人で何役もこなさなければいけなくて、いろいろ大変なんだろうなあという気がしました。Bon courage, Richard!

その後、他のファンの方々とリシャールを囲んでトークをしていたのですが、ここで、徐に例のヴィタリーの本を出して、「これ、ヴィタリーのジャンコラさんの本の日本語版なの。」、と一応これはちゃんとフラ語で リシャールに説明し、これにヴィタリーの一番好きな歌詞を書いてくれないかな、とリシャールに頼んでみました。

すると、リシャールはジャンコラさんの名前にちゃんと反応してくれて、Ah~と言ってくれ、かつ若干フラ語がボロボロになりかけて焦っていた私に、うん、わかるよ、言いたいこと、というようににっこりと微笑み、本を開いてよし、ヴィタ リーの最後の部分を書くね、と楽しそうに言って、歌詞を書き込んでくれました(上記写真がそのときの様子です。)。

その後、作曲:リシャール・シャーレ、作詞:アルノー・ケラン、リシャール・シャー レと書いてくれ、勢いあまって、左のページに書ききれなかったので、「こっちのページにも書いていい?」と聞かれたのがちょっとおかしかったです。

そのとき、たまたま年始にブログの記事を書くためにしていた付箋をそのままにしていたのですが、それに気づいたリシャールに「これreference?」と聞かれました。そういうところに気づくリシャール。やっぱり細かいなと思いました。そして、本を開けて、これ全部日本語?とちょっと興味深そうに本を見ていました。 (向こうに縦書きはないからちょっと面白かったのかも。)

その後、リシャールファン友達のTさんがマットのCDを差し出すと、とっても楽しそうに、自分がプロデュースした曲にこれと、これとこれ!と言いながらチェックマークをつけていたリシャール。その言い方がなんだかとってもうれしそうで、ファンのこちらまでうれしくなってしまいました。

そういえば、2日目の出待ちのときに何でランボーの楽曲の中でも"Vitalie"にしたの?と 聞いてみたら、「デュオ曲だったから。」だそうです。一押しの曲だったからとかではないんだね…。と素朴に思った私。構成の都合とかももちろんあったんだと思いますが。

リシャールに書いてもらったVitalieの歌詞の最後の部分。
「我々の中には常に親不孝な息子が潜んでいる」
という一節。深い。


最終日、本にサインをしてもらっている写真にサインをしてもらった笑のですが、そのとき、あれ、なんでこの写真という顔をされました。ツーショットとかでなかったのが多分不思議だったのだろうと思うのですが、個人的には、この写真は何よりも宝物になりました。(ひょっとしたら2ショットよりかも苦笑。)

そして、サインをしてもらったあと、もう一つうれしいことが。
去り際にリシャールが「アルノーがメッセをくれて、本の写真を見ていてとても感動したって言ってたよ。」と一言。

実は、コンサートの出待ちの写真をFBに載せていたのですが、それをミュージカルの共同制作者のアルノーさんが見てくれていて、どうやら リシャールに連絡をしてくれていたようなのでした。

これは個人的にこれは、本当にうれしかったです。世界中に散らばっている人がランボーという作品でつながっている(というとすごくおこがましいけれど)、ということがなんだか不思議、でもすごく暖かい気持ちになりました。

そしてコンサート後。

今回のコンサートで、通算3回通しでVitalieを聞いたので、やはり以前より聞き取れた単語は増えたのですが、やはり、歌ということもあってか、全部解読するのは無理でした。。。当たり前ですが。

というわけで、厚かましくも、公演後、リシャールに、ヴィタリーの歌詞を知りたがっている人が他にもいると思うから、歌詞を教えてくれないだろうか、とお願いをしてみました。曲として結構面白そう、と思う人はいても、肝心の曲の意味がわからなければ、せっかくのすばらしい曲の良さが伝わらないのは残念だという思いもファンとしてはありました。

すると数日後に、ちゃんとクレジットを出してくれるなら、いいよ、とお返事が。

リシャール、なんていい人なんだ。

というわけで、次回、リシャールに送っていただいた歌詞&訳を載せたいと思います。

À suivre...

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