2015年3月23日月曜日

祝!宝塚上演: 1789 Les Amants de la Bastille バスティーユの恋人たち 〜あらすじ③〜 

 いつものことですが、、、気づいたら、駅に1789のポスターが。そして、ヅカファンの先輩から、制作発表が 行われたよ、と連絡が(笑)。


一番びっくりだったのは、オランプの曲をアントワネットが歌ってたことですが。。。まあ、確かにこちらも許されぬ恋だったことにこの映像を見て、そういえばそうだった!と気づきました笑。
サイラ・モナムールはフランス語そのままだったんですね。オリジナルは愛し合う恋人たちよ、さあ、禁じられた愛を声高に叫ぼう!みたいな曲(爆)ですが、宝塚版はどっちかっていうと、ロナンがもうお前を離さない!みたいな感じの曲になってるような印象が。いずれにしても全貌が明らかになるのが楽しみです^^

というわけで、第二幕のあらすじです。
第一幕についてはこちら→その1その2

★カバーしている曲: A quoi tu danses ?(誰の為に踊らされているのか?) / Je suis un Dieu(私は神だ) /Le cauchemar / Je veux le monde(世界を我らに) / Ca ira mon amour(サ・イラ・モナムール)★

第二幕は、実は第一幕の最後のシーン(パレ・ロワイヤルに革命家たちが集結し、革命への誓いを歌うシーン)のrepriseから始まります。↓Acte 1とActe 2をつなげてくれてた人がいた笑。インターミッションの間は、幕に映像で、革命家や市民たちが決起する瞬間の絵が映し出されおり、2幕になるとその絵がフェードアウトして、革命家たちが現れます。こういう演出うまいなあと思いました。すごいナチュラルに1789年の世界に観客は入り込むことができます。



1789年6月20日。La Salle de Menus Plaisirs が創設され、新たな国民議会の議員たちの出入りを禁じた。こうして、貴族と国民の対立は決定的なものとなった。

ミラボーが他の革命家に王が集会の自由の権利を剥奪したことを告げる。我々は、国民の代表として何人もそのようなことを命じる権利はない!と息巻くミラボー。

そして、革命家たちはヴェルサイユ宮殿の球戯場を占拠し、憲法制定まで解散しないことを誓い合い、王権に対し公然と反対意思を表明する(←Wikiの「球戯場(テニスコート)の誓い」より。)。<A Quoi Tu Danses ?>。それに対し王は、国民の権利を保証するのは自分である、と宣言し、これまでの身分制を正当化し、去っていく。顔を見合わせ、王の一方的な宣言に憤る民衆ら。国民議会は断じてこの王の命令を受け入れられないと気勢を上げる。国民議会こそ、国民の意志を結集した場であり、軍隊の力などには屈せず、断固この場(球戯場)を離れないと堅く誓うのだった。

<A quoi tu danses ?>
(誰の為に踊らされているのか?)
(和訳:何のために踊るのか?)

"考えるんだ
踊るとき君の脳はシェイクされ
もはや何のために踊っているかわからなくなるから
金持ちたちは君が費やした時間など
気にかけてやしない
そしてもはや何のために踊っているかわからなくなる"

(tuなので君としていますが、私と君の君というよりは
英語の一般論としてのyouのような意味に近いので我々と
考えてもよいと思います。)

***球戯場の誓いを現代風にするとこんな感じ?みたいな曲です(笑)。国民や第三身分の議員たちの怒りをタップダンスで表現するという斬新かつ面白い演出です。ここで、なぜこんなモダンなダンスのシーンが挟まれるのかは結構謎ですが、歌詞を見る限りだと、王や貴族らは我々を虐げ我々の意見など聞く耳を持たないのだ→だからとりあえず踊って全てを忘れてトランス状態になろうといった展開のように思います。。。なんかすごい飛躍というか斬新な解釈(笑)。この映像はたぶん、Saison 2の最終公演のもののようで、前方でファンの子達がタップダンスを一緒に踊って盛り上がっています。こういうところがフランスっぽいというか若い子のファンが多いミュージカルっぽさが出てるかなあと思います。***


-教会。
オランプが一人祈りを捧げている。そこにラマーが現れ、執拗に オランプを追いかける。オランプはラマーに噛み付きその場を逃げようとするが、気づくと周りには、様々な動物たちが現れ、オランプをじりじりと追い詰めるのだった。

<Je suis un Dieu /Le cauchemar>
(私は神だ)
(和訳:私は神だ/悪夢)

"私は神なのだ
人間どもの中のアポロンなのだ
(*Wikiによれば理想の青年像(笑)だそうです。
要するにそこいらの凡人どもとは違うのだという意味だと思います。)
私を称えたまえ
天国へと続く
究極へ向かう道に歩みに来たまえ"

***はい、夢落ちです(爆)。DVDを見るまで実はこのシーン全く持って意味不明でした笑。ある意味サイドラインっぽい話の部分なのですが、夢ということもあってか演出はかなり凝っていました。火が出るシーンはほんとにメラメラしてる感じで迫力がありました。Je suis un Dieuの歌の内容は、まさに「俺さま」ソング。これからのことを考えればロナンなんぞ選ばずこんなに素晴らしい俺さまについてくるべきだ!と半ば脅迫してオランプを落とそうとするラブ?ソングといった感じだと思います笑。このシーンは唯一ラマー役の人が歌うシーンなのですが、まさにかよわき乙女を手篭めにしようとする悪い男、といった感じです笑。が、このシーンもラマーの空威張りみたいなものは健在でやはりコミカルな感じではあります。***

はっと目が覚めるオランプ。「どうしたんだ?」と駆け寄るロナン。オランプはさきほどまで見ていた悪夢の話をする。ロナンは、俺は世界で一番幸せな男だ、君のことを愛しているから、誰も俺たちをもう引き離すことはできない、とオランプを抱き寄せ熱い抱擁を二人は交わす。だが、オランプはまだ悪夢の恐怖をひきずっており、夢の中でロナンが殺されてしまった、といってまだ怯えている。

だが、ロナンは、そんなオランプをよそに、来るべき自由な世界で僕たちは幸せな生活を送るのだと熱っぽく輝かしい未来についてオランプに語って聞かせる。熱が入りすぎたロナンは、つい、王家や貴族たちの時代は終わって、君は自由になるんだ!ヴェルサイユも女王もみんな終わりさ!と口を滑らしてしまう。

凍りつくような表情になるオランプ。オランプは、自分はロナンの復讐の道具に過ぎなかったのか、と憤る。そして、自分は忠誠を誓う人たちを見捨てたりはしない、とその場を立ち去ろうとする。ロナンはオランプを引きとめようとするが、オランプは、自分は彼ら(王家)のものであり、自分は神を信じており、神だけが正義を果たすことができるのだとロナンに言う。そして、平民たちの復讐の憎悪が制御不能になる日がくるのではないかと恐れていることを告白する。また、ロナンは憎しみの塊で、そんなロナンも自分に恐怖を抱かせる、だから近寄らないで、と言い放つ。それに対し、彼らに人生を台無しにされ、家族も殺され、憎しみを持つのは当然ではないか、と反論するロナン。こうして2人は別れ別れになってしまうのだった。

− 街の通り。
平民の女性たちが斧などの武器を手に街を足早に移動している。
「パン屋がみんな閉まっている。店を開けさせるのよ!」と息巻く女性達。
女性たちのリーダーを務めるのは、ロナンの妹のソレンヌであった。パン屋の前にたどり着いた女性たちは「子供達にパンを!」と叫びパン屋を開けるよう要求する。<Je veux le monde>。

<Je veux le monde>
(世界を我らに)
(和訳:私は世界が欲しいの)

"私は世界が欲しいの
市民の涙の中で
女こそが世界を動かすの(主導権があるの)
世界を夢見ましょう
そして反乱を起こすのよ
もう私たちを恐れさせるものは何もない
私たちは苦しみや痛みを知っている
だから私たちは世界が欲しいの"

***おそらくヴェルサイユ行進の女性達の行進を下敷きにしたシーンだと思うのですが(実際にプロモの撮影はベルサイユ宮殿で行われています。)、パンを買えない女性達のプッツン感がなんとも言えず怖い+勇ましい(笑)。このシーンは数人を除いてほとんど女性ダンサーだけでダンスが構成されています。歌詞も、私たちにこそ主導権があるのよ、というあたりや冒頭の男たちは権力に懐柔されたけれど、私たち女はそんなことで懐柔されたりはしないんだから!といった部分には、フェミニストの観点が全面に押し出されています。こういう感じもやはりフランスっぽいかなあと思います。にしてもやはり女は強し!笑。***

− ベルサイユ宮殿。
宮殿の外では、飢えた市民たちが食糧を求めて押し寄せ、宮殿内にもその叫び声が聞こえている。アントワネットはそんな周囲の状況に大きく動揺している。

ルイ16世は、そろそろよい時期だから、とアントワネットが浪費とフェルゼンとの密会で頭の中がいっぱいだっただろう、とアントワネットを問いただす。アントワネットは、必死で否定するが、ルイ16世は全てを知っていたのだった。確かに良い夫ではなかったかもしれないが、この大変な時期を乗り切るため君のサポートそして尊厳を保つことが必要だとアントワネットに説く。そんな要求は私に対する侮辱だ、と憤るアントワネットは部屋を後にする。

そこにラザールがやってくる。ラザールは、民衆が手に負えない状況になっているとルイ16世に報告する。アルトワ伯とラザールは軍隊の介入、反乱の鎮圧を進言するが、宰相ネッケルはこれに反対する。悩んだ末、ルイ16世は軍隊を出動させる決意をする。ほくそ笑むアルトワ伯。反発した宰相ネッケルは王に辞職願を手渡す。ルイ16世はそれを受諾する。

− パレロワイヤル。
パレロワイヤルはいつものように市民たちの活気にあふれていた。そこに、デムーランが現れ、カフェの机に立ち上がり、観衆を前に演説を始める。デムーランはネッケルの辞任を民衆に伝え、民衆に「武器を取れ!」と呼びかける。<Ca ira mon amour>。

<Ca ira mon amour>
(サ・イラ・モナムール)
(和訳:大丈夫さ(すべてうまくいく)、愛する人よ)

"うまくいくさ、愛する人よ
いつまでも大丈夫さ
さあ、恋人たちよ
声高に禁じられた誓いを叫ぼう
うまくいくさ、愛する人よ
太鼓(*軍隊のドラムのことを言ってるのかな
という気がします)のことは忘れて
すべての壁に「自由」と書くことを私は誓う、愛する人よ"


***えっと、、、はい、これはデムーランの有名な「武器を取れ」の演説の場面(演説の経緯:日本語→こちら、仏語→こちら)なわけですが、、、あら、どうしてこんな歌になっちゃったのかしら?と最初自分は思いました。これ、ただのフレンチお色気ラブソングじゃないの(爆)。

が、今考えてみると、おそらく、武力なんかより愛のほうがはるかに強いのだ、ということをフレンチ流に(笑)表現したらこうなったということのような気がします(うん、でもかなり拡大解釈(爆))。あとちゃんと「自由」も入ってるし。緑は本当に当初は革命のシンボルカラーだったようですが、反革命派の色と被っていたため、その後トリコロールに変わっていったようです。というわけでダンサーもおそらく「自由」「希望」をイメージしてグリーンの衣装を着ています。

そして、デムーランがジャーナリストということで、ペンを取り走り書くシーンも登場します。武器ではなくペンでこれからの時代を切り開いていく、という解釈にもとれるかもしれません。また、この曲で何度も出てくるCa ira(サイラ)ですがAh! Ca iraという有名な革命歌があり、その曲を念頭にしているようです。こういう部分もフランス人ならぱっとわかるけれど、何も知らない日本人からすれば結構謎ポイント。。。

この歌、劇中にももちろん登場するんですが、カーテンコールのPour la peineの後に少なくとも私が行った回では歌われてました。そして、みんな観客も含めてノリノリでした(笑)。1789で一番有名な曲といえばやはりこの曲になると思うのですが、、、この歌の歌詞って私からすると軽くポルノ(爆)。が、こういうのをティーンエージャーはまだしも小学生くらいの子が楽しそうに歌っているわけです、、、。これは、やっぱり日本人からすると、ちとカルチャーショック。まあ、小学生だったら、歌詞の意味すらわかってない可能性も高いですけど。。。しかし、これは驚いた^^;

とっても楽しそう(笑)。
私が公演を見に行ったときのカーテンコールは
こんな感じでした。

この曲はミュージカルが始まる前(たぶん1年位前(!))に最初にシングルカットされた曲なので、おそらくこの曲のアイディアがどんどん他の曲に広がっていったのかなあという気がします。キャッチーだったということももちろんあるとは思いますが。***


とりあえず、2幕のパート1はここで終わりにします。
あらすじ④はこちらです。

1 件のコメント:

  1. Could you write the lyric of "Ça Ira Mon Amour" from the Japanese musical, please? arigatou gozaimasu.

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